【日刊SPA!】に掲載されました。
Googleから突然「ウィルス感染」警告。急増するスマホ詐欺
ITジャーナリストの久原健司です。
スマホの普及により便利になった世の中ですが、同時にスマホならではのトラブルも増えています。最近は悪質なものが増えており、知識のない方が誤った対応をしてしまうことも……。そこで今回は、スマホでありがちなトラブルとその対処法をご紹介します。
スマホ
スマホ操作中に突然「ウイルスに感染」表示が!?
スマホでサイトを閲覧していたら、突然「ウイルスに感染」警告が出たという方はいらっしゃいませんか?
Googleセキュリティのページが表示されて、「あなたのシステムは4つのウイルスによってひどく損なわれています!」なんて表示されたら焦りますよね。
ウイルス警告 しかし皆さん、安心してください。このような警告は、ほぼ間違いなくウソの内容です。
ウイルス感染を理由に利用者を騙す手口は昔から存在し「フェイクエイブイ(Fake AV)」と呼ばれます。また、偽の警告メッセージで利用者の不安をあおり、騙す手口である「フェイクアラート(Fake Alert)」というものもあります。
国内では、Android端末向けのフェイクアラートが2014年頃から見られるようになりました。表示内容は様々なバリエーションがありますので、遭遇してしまったら焦らずに表示されている文章をネットで検索してください。ほとんどの場合、「ウソ広告なのでブラウザを閉じて無視して下さい」と先人たちが教えてくれることでしょう。
突然請求画面が! 無視しても大丈夫?
「ウィルスに感染」の警告同様に、皆さんが焦る「会員登録が完了しました」という表示。特に、いかがわしいサイトを見ている時に起こりがちで、ドキッとした経験もあるのではないでしょうか?
表示される画面の中には、金額が記載されている場合もあり、いつ請求されるのか?払わないと大変なことになるのか?と悩んでしまいますよね。
でもご安心ください。グラディアトル法律事務所の若林翔弁護士によりますと、
「料金の支払義務は生じません。アダルト動画の架空請求などは、法律上、動画を閲覧する契約が成立していないか、または契約自体が無効となるためです。
また、このようなアダルト動画の詐欺業者は、大量の閲覧者の中から任意に支払ってくれる人から騙し取るという方法を取っており、業者からの連絡を無視した閲覧者について、個人情報を追跡するようなことはしません」
とのことでした。詐欺業者もコストパフォーマンスを追求し、効率の悪いことはしないようですね。
「さらに、近年はこのような詐欺業者の逮捕事例もでており、多くの業者が慎重になっています。無視したとしても業者側が閲覧者側に不利益になるような行動をとることは考え難いです」(若林弁護士、以下同)
しかし、無視し続けていたら弁護士からの書面が自宅に届いたという噂を耳にしたことがありましたが……。
「同様のアダルト動画の詐欺業者について、これまで数百件の相談を受けていますが、裁判所から書面が届いたという相談は一件もありません。ただし、もしも裁判所等から書面が届いた場合には、無視はせずに、弁護士に早めに相談するようにしてください」
こういった詐欺は、利用者の後ろめたさにつけ込んでくる典型的な例となります。まずは慌てずにネットで検索すれば、9割以上は解決することがほとんどですし、無視することが最善策だと思います。ただし、若林翔弁護士が言う通り、裁判所から書面が届いた場合は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
【久原健司】
1978年生まれ。ITの人材派遣会社やソフトウェア開発会社を経て、2007年に株式会社プロイノベーションを設立。現在は、一般社団法人日本情報技術振興協会(JAPRO)認定講師として企業研修を行ったり、日本一背の高いITジャーナリストとしてwebメディアでも活躍している。