【日刊SPA!】に掲載されました。
Twitterで差別発言した青森市議。裏アカウントがバレる3つの凡ミス
10月28日投開票の青森市議選に無所属で初当選した山崎翔一氏(28)が、Twitterで「年金暮らしジジイを舐めすぎ」、「片腕落として障害者雇用」など差別的な発言をしていたことが話題になっている。
この発言は山崎氏の公式アカウントではなく、プライベート用の“裏アカウント”(以下、裏アカ)でなされたもの。発覚当初はアカウントに鍵をかけておらず、誰でも閲覧できる形になっていた。
山崎氏の選挙公約は「IT活用による安全・便利な街づくり」。過去にITエンジニアとして働いておりSNSには詳しいはずであるのに、なぜこのような事件を起こしてしまったのか? 脇の甘さが指摘されるが、この「裏アカバレ」は決して他人事ではない。そこで今回は、ITジャーナリストの久原健司氏に“裏アカ事情”について話を聞いた。
「裏アカウント」とは?
まずは、今回問題になっている“裏アカウント”とはどのようなものか?
「本来のアカウント(以下、本アカ)とは別に用意したアカウントを指します。基本的には匿名であり、本アカとは違うコミュニティに向けて発信するためのものです。
人には言えないような特殊な趣味を公開する場や愚痴の吐き出し場所、売春目的での使用など、通常のアカウントに比べ犯罪の温床になっているのが特徴です」(久原氏。以下、「」内は同)
裏アカの所有率は意外と高く、未成年に限った話ではあるが、今年3月に行われた「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査 第11弾」では、女子高生の69.8%が裏アカを所有しているという結果になったほど、世間に浸透している。
裏アカウントはなぜバレる?
SNS 本来は匿名であるはずの裏アカだが、なぜバレてしまうのか? 山崎氏の件は、裏アカ内で過去に本名を名乗っていたことが原因のようだが、他にも身バレするケースはあるのだろうか?
①自分の本アカをフォローして…
「まずは、裏アカで自分の本アカをフォローしてバレるケースです。Twitter利用者であれば、一度は気にするフォロワー数。自分の本アカのブランディングのために裏アカでフォローする人がいますが、これはオススメしません」
フォロワー数を増やすためについやりがちな行動だが、NGのようだ。また、本アカのツイートに対して、ちょっとしたリアクションでバレてしまうこともあるそう。
「裏アカの目的にもよりますが、基本的に本アカとの接点をなくしましょう。フォローしないことはもちろん、本アカに対していいね!やリツイートをしてバレることもあります」
②電話番号登録や、連絡先の同期から…
本アカとの接点以外では、「電話番号の重複登録」でバレることもある。
「Twitterで裏アカを作成する際に、本アカと同じ電話番号を登録する人も多いですが、絶対に止めましょう。同じ番号を登録すると、裏アカの存在が本アカのフォロワーに通知されてしまいます」
また、アドレス帳の連絡先同期もご法度だ。
「『電話番号の照合と通知を許可する』の設定はオフにするだけでなく、『アドレス帳の連絡先同期』を行わないことや、アップロードされている連絡先があれば削除しておく方が良いですね」
③他のSNSとの連動で…
「Facebook、Instagramをはじめ、SNS同士でアカウントの連携をしている場合、他のSNSでバレることがあるのは言うまでもありません。連動していなくても、同じ写真を両アカウントで使用するのは、バレる確率があがるのでやめたほうが良いです。
また、各SNSで似たIDを使っている人は注意が必要です。本アカと似たIDを使う人も多いので気をつけましょう」
さらには、裏アカと本アカの切り替えを忘れてバレる、なんてこともある。LINEで間違ったグループに送信した覚えのある人などは、十分に注意が必要だ。
裏アカウントの正しい使い方
では、裏アカはどのように使っていけばよいのだろうか?
落ち込む「鍵をかける、匿名で行うなどはもちろん、使う場所や端末を制限するのはどうでしょうか? 裏アカを実生活に溶け込ませない様にするのです。具体的には、携帯で裏アカを切り替えて使うのではなく、自宅のPCのみで使用するといった特定の環境を用意して、ONとOFFをしっかり区別することが大切だと思います」
裏アカと聞くと悪いイメージが先行しがちだが、大切なのは“使い方”なのだ。
「裏アカを作ること自体は悪いことでも何でもありません。しかし、感情の切り替えがうまくいかない場合、裏アカの人格が表に出てしまい、リアルな人間関係を崩してしまう可能性もあります。ちょっとした発言が今まで培ってきた信用を壊してしまうこともありますので、十分気を付けてください」
誰にでも裏の顔はあるし、裏アカ自体は決して悪いものではない。実際に、普段言えないような本音を吐き出すことで、救いになっている人もいるようだ。ただし、それはあくまで正しい使い方をしている場合に限る。バレた際のリスクを念頭に置き、SNSと付き合っていきたいものだ。<取材・文/日刊SPA!取材班>