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山の事故が増加中! 登山や遭難時に覚えておきたい「スマホ」活用法とは
アウトドアブームの一方で、山での遭難事故が増加傾向にあります。警察庁の統計によると、山岳遭難は毎年2000人以上で推移しており、2016年の1年間で山岳遭難したのは2929人。うち、死者・行方不明者は319人でした。
今年5月には、新潟県阿賀野市の五頭(ごず)連山で、登山に入ったまま行方不明になっていた親子2人の遺体が発見されるという、痛ましい事故も起こりました。親子は遭難前、スマートフォンで家族に下山する旨を連絡していたといいます。
これを受け、SNS上などでは「スマホがあっても助からないなんて悲し過ぎる」「圏外だと使えないのかな」「いざという時の使い方がもっと広まってほしい」など、さまざまな声が寄せられています。
オトナンサー編集部では、登山や遭難時のスマホの活用法について、一般社団法人日本情報技術振興協(JAPRO)認定講師の久原健司さんに聞きました。
故障や防水対策も忘れずに
Q.登山に役立つスマホの機能を教えてください。
久原さん「『Google Map』などの地図アプリとGPS機能で、居場所を確認することができます。スマホのGPSは、機種により若干精度に差はあるものの、昔に比べて精度はかなり高いです。登山中に携帯の電波が届かなくなった場所でも、GPSは使えることが多くあります」
Q.万が一、遭難してしまった場合、どのようなスマホの活用方法がありますか。
久原さん「Google Mapが使える場合は、現在地の場所を長押ししてください。そうすると、赤いピン止めが表示され、上部の検索フィールドに数値が表示されます。これが現在地の経度と緯度です。その情報をSNSやショートメールなどで家族や知人に送れば、自分の正確な居場所を伝えることができ、早期の救助などが期待できます」
Q.役立つアプリはありますか。
久原さん「登山用の地図アプリはいくつかあるので、事前にダウンロードして使い勝手などを確認するとよいでしょう。例えば、『ジオグラフィカ』という登山用アプリがあります。ダウンロードした地図は、キャッシュという機能でスマホ内に保存できます。Google Mapもオフラインで使用する方法がありますが、登山の場合は山歩きに特化した地図を用意しておく方がよいでしょう」
Q.バッテリーを温存するためのコツはありますか。
久原さん「事前に地図アプリを入れて、山に入ったら機内モードに設定してください。山岳地帯は電波が弱いためスマホが電波を探すためにバッテリーを消費してしまいます。また、画面は少し暗めに設定しましょう。明るく設定したディスプレイ表示はバッテリーを多く消費します。
冬山ではバッテリーが冷えてしまい、残量が一時的に減ったり、うまく動かなかったりすることがあります。手で温めると回復することが多いので、焦らずに対処してください。季節に関係なく、念のためモバイルバッテリーは持っていた方がよいでしょう」
Q.その他、登山中や遭難時のスマホの使い方について、気を付けるべきポイントがあれば教えてください。
久原さん「街中でもそうですが、歩きスマホは非常に危険です。ケガをするリスクが高まりますのでやめましょう。また、昔に比べるとそのリスクは随分減りましたが、マグネットが密着しているとスマホの電子コンパスが狂うことがあります。マグネット付きのケースを使っている場合は外した方が無難です。
また、防水対策や、画面にガラス保護フィルムを張るなどの破損防止対策も大切です。ストラップを使えば、落下防止にも役立ちます。スマホは大変便利ですが、紛失したり壊れたりして、いざという時に使えない可能性もあります。登山においては、スマホ1台だけを頼りにせず、二重三重の対策を取っておくことも必要でしょう」
ライフスタイルチーム
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180620-00016698-otonans-soci