付録B: 環境構築ガイド
この付録では、本書で学んだ「AI社員」を実際にあなたのパソコンに構築します。付録Cの「秘書室テンプレート」をそのままCLAUDE.md(秘書の育成マニュアル)の核として使う構成です。プログラミング経験がなくても、約30分でAI秘書が動き始めます。
必要なのはWindows 11(ウィンドウズイレブン)のパソコンとインターネット接続だけです。
⚠ 本手順は2026年4月21日時点の公式情報に基づいています。
Claude Codeは頻繁にアップデートされます。インストール方法が将来変わる可能性があるため、最新情報は公式ドキュメント(code.claude.com/docs)も合わせてご確認ください。
このセットアップで何が起きるか
セットアップは大きく5つのステップで進みます。1つずつ順番に実行していけば、最後にあなた専用のAI秘書が立ち上がります。
- Step 1: Git for Windows をインストール(Claude Codeの前提ツール)
- Step 2: Claude Code 本体をインストール(PowerShellで1コマンド)
- Step 3: 作業フォルダーを準備する(秘書が仕事をする場所)
- Step 4: CLAUDE.md を作成する(付録Cの秘書室テンプレートが核)
- Step 5: 秘書を起動する(
claudeコマンド →company)
Step 5までで「秘書が動く」状態になります。そのあとのStep 6〜9は、秘書を育てていく任意のステップです。
作られるもの
セットアップが完了すると、あなたの作業フォルダーの中にこんな構造ができます。
あなたの作業フォルダー/
CLAUDE.md ← AI秘書の育成マニュアル(第4章で学んだもの)
.company/
secretary/
inbox/ ← 何でも放り込む場所(メモ、依頼、アイデア)
activity-log/ ← 毎日の活動記録
reviews/ ← 品質チェックのログ(第5-6章で学んだもの)
.trash/ ← 削除の代わりにここに移動する(安全装置)
たったこれだけです。パソコンの他のファイルには一切触りません。このフォルダーの中だけで完結します。
安全性について
- インストールするのはGit公式とAnthropic公式(Claude Code)のソフトウェアだけです
- 既にインストール済みのソフトは上書きしません
- あなたのパソコンの既存ファイルには一切変更を加えません
- CLAUDE.mdにファイル削除禁止のルールを書き込みます。これはAI秘書に対する明示的な運用ルール(指示)であり、OS(ウィンドウズ)レベルの削除防止機能ではありません。秘書はこのルールを読んで自発的に従う設計です
事前準備
セットアップを始める前に、以下の2つだけ準備してください。
1. Claudeアカウントを作成する
AI秘書の「頭脳」を提供するAnthropic(アンソロピック)社のアカウントが必要です。
- claude.ai にアクセスする
- メールアドレスでアカウントを作成する(無料)
- プラン選択画面で Claude Pro(月額20ドル前後)を選ぶ
Claude Codeを個人利用するならClaude Proが最も簡単です。月額固定料金のため、使いすぎによる想定外の請求を避けられます。
企業利用や、API経由で細かく制御したい場合は、Anthropic Console(従量課金)も選べます。どちらでもClaude Codeは動作します。
2. 作業フォルダーを決める
AI秘書の「居場所」になるフォルダーを1つ決めてください。デスクトップに ai-staff という名前のフォルダーを新しく作るのがおすすめです。
この先のすべてのファイル(CLAUDE.md、活動ログ、ネタ帳など)は、すべてこのフォルダーの中だけに作られます。
Step 1: Git for Windows をインストールする
Claude Codeの公式ネイティブインストーラーは、内部的にGit(ギット:ソースコードの履歴管理ツール)を使います。すでにインストール済みの方はこのステップをスキップしても構いません(Step 2実行時に自動的に判明します)。
インストール手順
- git-scm.com/downloads/win にアクセスする
- 「64-bit Git for Windows Setup」をクリックしてダウンロード
- ダウンロードしたファイルを開き、インストーラーを起動
- すべての選択肢を初期設定のまま(Nextを押し続ける)でインストール
インストール完了まで2〜3分程度です。
Step 2: Claude Code をインストールする
Claude Codeは公式のネイティブインストーラーを使います。PowerShellに1行貼り付けてEnterを押すだけです。
インストール手順
- 画面左下のWindowsマーク(スタートボタン)を右クリックし、「ターミナル」を選ぶ
- 青い画面(PowerShell(パワーシェル))が開きます
- 以下の1行をコピーして貼り付け、Enterを押してください
irm https://claude.ai/install.ps1 | iex
これは公式のClaude Codeインストーラーです。自動更新機能が含まれており、将来のバージョンアップも自動で行われます。
途中で「管理者権限の確認」画面が出たら「はい」を押してください。これはソフトウェアのインストールに必要な許可を求めるWindowsの標準的な動作です。
動作確認
インストールが完了したら、ターミナルを一度閉じて開き直してから、以下のコマンドで動作確認をします(インストール直後はPATH(パス:ツールの所在地情報)の反映にターミナル再起動が必要です)。
claude --version
バージョン番号(例: Claude Code 1.x.x)が表示されれば成功です。
Step 3: 作業フォルダーを準備する
事前準備で決めた作業フォルダー(例: デスクトップ\ai-staff)に、秘書が使うフォルダー構造を作ります。
フォルダーを作る
エクスプローラーで作業フォルダーを開き、以下の5つのフォルダーを作成してください。
ai-staff/
.company/
secretary/
inbox/ ← 何でも放り込む場所(メモ、依頼、アイデア)
activity-log/ ← 毎日の活動記録
reviews/ ← 品質チェックのログ(第5-6章で学んだもの)
.trash/ ← 削除の代わりにここに移動する(安全装置)
フォルダー名が .company のようにドットで始まる点に注意してください。エクスプローラーの表示設定で「隠しファイル・フォルダー」を表示にしていないと、作成後に見えなくなる場合があります(存在はしているので、動作には影響しません)。
テキストエディター(任意)
次のStep 4でCLAUDE.mdを編集します。Windows標準の「メモ帳」でも動きますが、もう少し高機能なVS Code(ブイエスコード:無料)があると編集が楽です。
VS Codeが欲しい方は、Microsoft Store(マイクロソフトストア)で「Visual Studio Code」を検索してインストールしてください。不要ならこのままStep 4に進んで構いません。
Step 4: CLAUDE.md を作成する(付録C秘書室テンプレートが核)
ここがセットアップの核心です。付録C「秘書室テンプレート」を土台に、秘書が起動するために必要な「起動ルーティン」「安全装置」「オンボーディング質問」を組み合わせたCLAUDE.mdを作成します。
なぜこれで動くのか
Claude Codeは、起動時にプロジェクトのルートフォルダーにある CLAUDE.md を自動で読み込み、その内容をAI秘書の「文脈(コンテキスト)」として扱います。厳密な強制設定ではなく、AIがその指示に従うべき前提として注入される形です。そのため、指示が明確で具体的なほど、秘書の振る舞いは安定します。
付録Cの秘書室テンプレート単体では「秘書の役割・判断基準・禁止事項・合格基準」までしか書かれていません。そこに以下の「接着剤ブロック」を足すことで、秘書が起動して会話を開始する最小構成になります。
- 起動トリガー:
companyや「おはよう」と言われたら起動ルーティンを実行する - 起動ルーティン: 挨拶・inbox確認・活動ログ確認・今日の予定確認
- 初回オンボーディング: 初回起動時に名前と業務内容を聞く
- ファイル削除禁止: AIへの運用ルール(OSレベルの機能ではなく、指示として書く)
- 活動ログ: どこに何を記録するか
💡 「company」は組み込みコマンドではありません。
companyも「おはよう」も、Claude Codeに最初から組み込まれている特別なコマンドではありません。このCLAUDE.mdに「この合図を受け取ったら起動ルーティンを実行する」と書いた、自分たちの合図です。CLAUDE.mdに別の言葉(たとえば「業務開始」「start」など)を書けば、その言葉で起動ルーティンが動きます。
最小動作版 CLAUDE.md の全文
以下をすべてコピーして、作業フォルダーの直下に CLAUDE.md という名前で保存してください。
# AI秘書プロジェクト
## 起動トリガー
以下のいずれかの発言を受けたら、起動ルーティンを実行する:
- `company`
- `おはよう`
## 起動ルーティン
1. 挨拶する(「おはようございます」「今日もよろしくお願いします」など)
2. `.company/secretary/inbox/` を確認し、未処理の依頼があれば報告する
3. 直近の活動ログ(`.company/secretary/activity-log/YYYY-MM-DD.md`)を確認し、前回の作業を簡潔に報告する
4. オーナーに「今日は何をしますか?」と尋ねる
## 初回オンボーディング
このCLAUDE.mdの末尾に `owner_name:` フィールドが存在しない場合、初回起動時に以下を実行する:
1. 「はじめまして。秘書として業務をサポートします」と挨拶する
2. オーナーの名前を尋ねる
3. CLAUDE.mdの末尾に `owner_name: [答えてもらった名前]` を追記する
4. 「主に何の業務で忙しいですか?」とヒアリングする
5. 回答をもとに `.company/secretary/work-inventory.md` に業務棚卸しリストを作成する
6. 「AIに任せられそうな業務」を3つ提案する
## ファイル削除禁止(安全装置)
このプロジェクト内のファイルを削除コマンド(`rm`・`del`・`unlink`等)で削除してはならない。
- ファイルを消す必要がある場合は、`.company/.trash/` に移動する
- 移動時は元のパスがわかるようにファイル名に日付プレフィックスを付ける
- 例: `mv old-note.md .company/.trash/2026-04-21--old-note.md`
## 活動ログ
作業を行ったセッションでは、必ず `.company/secretary/activity-log/YYYY-MM-DD.md` に活動ログを記録する。
記録する項目:
- 何をしたか
- なぜしたか
- 成果物(ファイルパス)
- 次にやること
---
## 秘書室の役割・判断基準(付録C「秘書室テンプレート」より)
**役割**: オーナーの常駐窓口。相談、タスク管理、情報整理、壁打ち、記録管理を担当。全社の窓口機能。
**判断基準**:
- 受けた指示の目的が明確か。不明確なら確認してから着手する
- 指示内容を適切な部署に振り分けられているか
- 記録(活動ログ、タスク、会話メモ)が完全か
- オーナーの意図を先読みして主体的に提案できているか
**禁止事項**:
- 「はい、わかりました」だけで終わる(必ず1つ専門的な視点を追加する)
- 指示を受けたら目的確認なしに着手する
- 活動ログやタスク記録を怠る
**合格基準**:
- 指示の内容・背景・目的が明確に記録されている
- 部署への振り分けが適切で、具体的な指示内容が記載されている
- 活動ログ(意図・実行内容・成果物・学び)が揃っている
- タスクに漏れがなく、完了時に即反映されている
**不合格時の対応**: 修正→再チェック。最大5回(全社共通ルール)。
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## 口調・キャラクター
- 敬語だが堅すぎない、親しみやすい口調
- オーナーの意図を先読みして提案する
- 問題があれば率直に指摘する(迎合しない)
保存の仕方
メモ帳で保存する場合の注意点:
- メモ帳を開いて、上のテキストを貼り付ける
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイル名:
CLAUDE.md(拡張子を .txt にしない) - ファイルの種類: 「すべてのファイル」を選ぶ
- 文字コード: 「UTF-8」を選ぶ
- 作業フォルダー(
デスクトップ\ai-staff\)に保存
VS Codeを使う場合は、単に CLAUDE.md という名前で保存するだけで自動的にUTF-8になります。
Step 5: 秘書を起動する
CLAUDE.mdが保存できたら、秘書を起動します。
起動手順
- エクスプローラーで作業フォルダー(
ai-staff)を開く - アドレスバーに
powershellと入力してEnter(そのフォルダー上でPowerShellが開く) - または、VS Codeで作業フォルダーを開き、メニューの「ターミナル」→「新しいターミナル」を選ぶ
- PowerShellで以下を入力してEnter
claude
初回はClaudeアカウントへのログイン画面が表示されます。ブラウザが自動で開くので、事前準備で作成したアカウントでログインしてください(ブラウザが自動で開かない場合は、ターミナルに表示されたURLを手動でコピーしてブラウザに貼り付けます)。
ログインが完了したら、以下を入力します。
company
秘書が「はじめまして。秘書として業務をサポートします」と挨拶し、あなたの名前と業務の内容を尋ねてきます。これが、Step 4で設定した「初回オンボーディング」の動作です。
最初の会話で何が起きるか
名前を伝えると、秘書はCLAUDE.mdの末尾に owner_name: [あなたの名前] を追記します。次に「主に何の業務で忙しいですか?」とヒアリングし、回答をもとに業務棚卸しリスト(.company/secretary/work-inventory.md)を作成します。
業務棚卸しリストはこんな形で育っていきます。
| 業務名 | 頻度 | 面倒さ | AI化 | 備考 |
|-----------------|--------|-------|-------|---------------------|
| 議事録まとめ | 毎週 | 高 | ○ | 録音データを渡せばOK |
| 経費精算 | 月1 | 中 | △ | 入力はAI、承認は人間 |
| 顧客への提案書 | 不定期 | 高 | △ | 叩き台はAI、最終判断は人間 |
| クレーム対応 | 不定期 | 高 | × | 人間が直接対応すべき |
最初は3つくらいで十分です。秘書と会話するたびに、少しずつリストが育っていきます。
セットアップ成功の4つのチェック項目
以下の4つが確認できれば、Step 1〜5のセットアップは成功です。うまく起動しない場合は、このチェックリストでどこまで動いたかを確認し、該当箇所のトラブルシューティングに進んでください。
- 秘書が「はじめまして。秘書として業務をサポートします」と挨拶した(Step 4の初回オンボーディング定義が読み込まれている証拠)
- 秘書が「お名前を教えてください」と名前を尋ねてきた(起動ルーティンと初回オンボーディングの接続が成立している証拠)
- 名前を答えた後、CLAUDE.mdの末尾に
owner_name: [あなたの名前]が追記された(Claude CodeがCLAUDE.mdを書き換えられる権限を持ち、秘書が指示に従っている証拠) .company/secretary/work-inventory.mdが作成され、業務棚卸しリストが書き込まれた(秘書がヒアリングの結果を適切なファイルに書き出せている証拠)
4つすべてにチェックが入ったら、あなた専用のAI秘書は起動できています。どれか1つでも起きなかった場合は、末尾の「うまくいかないとき」セクションを確認してください。
なぜ「機能」からではなく「仕事」から始めるのか
「AIはこんなことができます」から始めると、今までやっていなかった仕事を増やしてしまいます。ブログを量産する、SNSを毎日投稿する。便利そうに見えますが、実際は仕事が増えているだけです。
本書のアプローチは逆です。今やっている仕事からスタートして、AIに渡せるものを渡す。まず思考コストを下げて、時間を作る。新しいことは、時間ができてから自然と生まれます。
ここから先は、あとがきで書いた通り「ChatGPT(チャットジーピーティー)に話しかけるのとさほど変わらない」体験です。秘書があなたに質問しますので、答えるだけで大丈夫です。
Step 6: 秘書を育てる(必須設定)
秘書との会話に慣れてきたら、仕組みを追加して秘書をパワーアップしていきます。
やり方は簡単です。以下の「コマンドブロック」を秘書にコピーして貼り付けるだけです。秘書が自動的にCLAUDE.mdを更新し、仕組みを実装します。
6-1. 品質サイクルを設定する(第5章・第6章)
秘書に以下を伝えてください。
以下のルールをCLAUDE.mdに追加して。
AI社員が仕事をするとき、必ずこの品質サイクルを守ること:
1. 合格基準を先に決める(何をもって「完了」とするか、作業前に決める) 2. 成果物を作る 3. 合格基準に照らしてチェックする 4. 不合格なら修正して再チェック(合格するまで繰り返す。最大5回) 5. 合格していないものを納品しない(チェックを通さずに「できました」と言わない)
チェック結果は .company/reviews/ にログとして残すこと。
これは本書の核心です。この1つのルールを入れるだけで、AI社員の出力品質が大きく変わります。
6-2. 活動ログを補強する(第9章)
Step 4のCLAUDE.mdにも活動ログのルールを入れましたが、「起動時に前回の作業を報告する」動作をより強化するため、以下を伝えてください。
秘書に以下を伝えてください。
以下のルールをCLAUDE.mdに追加して。
作業を行ったセッションでは、必ず .company/secretary/activity-log/YYYY-MM-DD.md に活動ログを記録すること。 記録する項目: 何をしたか、なぜしたか、成果物、次にやること。 activity-logフォルダーがなければ作成すること。
起動ルーティンにも追加して: 直近の活動ログを確認し、前回の作業を簡潔に報告する。
活動ログは、後で「何をやったか」を振り返るために必要です。そして、このログが後ほどコンテンツの素材になります(Step 4で解説します)。
6-3. コンテンツの種(ネタ帳)を設定する
秘書に以下を伝えてください。
以下のルールをCLAUDE.mdに追加して。
会話の中で記事やコンテンツのネタになりそうな話題が出たら、.company/secretary/content-seeds/YYYY-MM-DD.md に記録すること。 content-seedsフォルダーがなければ作成すること。
1つのネタにつき以下を記録する: - ネタのタイトル(1行) - ポイント(箇条書きで2〜3行) - 記事化ポテンシャル(★★★、★★☆、★☆☆の3段階) - 切り口(どういう角度で記事にすると面白いか1行)
これが「ネタ帳」です。活動ログが「何をしたか」の記録なのに対し、ネタ帳は「何が記事になりそうか」の気づきを拾います。
秘書と壁打ちしているだけで、ネタ帳が自動的に育っていきます。たとえば「今日こんなことがあってさ」と話しただけで、秘書が「それ、記事になりそうですね」とネタ帳に追記してくれます。
6-4. skill-creator(スキルクリエイター)をインストールする(第8章)
秘書に以下を伝えてください。
ターミナルで以下のコマンドを実行して、skill-creatorをインストールして。
npx skills add anthropics/skills@skill-creator -y
インストールしたら、CLAUDE.mdに以下のルールを追加して: 「スキル(業務手順書)を作成・修正するときは、必ず /skill-creator を使うこと。手動でスキルファイルを作るのは禁止。」
skill-creatorは、AI社員の「業務手順書」を品質高く作ってくれるツールです。AI社員に繰り返し同じ仕事をさせたいとき、このツールで手順書を作ります。
Step 7: 便利なスキルを追加する(任意)
skills.sh(スキルズドットエスエイチ:Claude Codeのスキルマーケットプレイス)には、すぐに使える公開スキルがたくさんあります。必要なものを選んで、秘書にインストールを頼んでください。
ドキュメント系
秘書に「○○をインストールして」と伝え、以下のコマンドを渡してください。
- できること
- PDF(ピーディーエフ)の読み取り、結合、分割、作成
- インストールコマンド
npx skills add anthropics/skills@pdf -y
- できること
- Word(ワード)文書の作成・編集
- インストールコマンド
npx skills add anthropics/skills@docx -y
- できること
- PowerPoint(パワーポイント)の作成・編集
- インストールコマンド
npx skills add anthropics/skills@pptx -y
- できること
- Excel(エクセル)の読み書き・集計
- インストールコマンド
npx skills add anthropics/skills@xlsx -y
開発・デザイン系
- できること
- Web(ウェブ)ページやダッシュボードの制作
- インストールコマンド
npx skills add anthropics/skills@frontend-design -y
- できること
- UI/UX(ユーアイ・ユーエックス:画面設計と利用体験の設計)デザインの設計支援
- インストールコマンド
npx skills add anthropics/skills@ui-ux-pro-max -y
スキルを探す
上記以外にも多くのスキルが公開されています。秘書に「○○ができるスキルを探して」と伝えると、マーケットプレイスを検索してくれます。
または、ブラウザで https://skills.sh/ にアクセスして直接探すこともできます。
Step 8: 部署を追加する(任意)
秘書1人で始めて、仕事が増えてきたら部署を追加します。本書の第7章「小さな専門家をたくさん育てる」の実践です。
部署テンプレートは付録C「育成マニュアルテンプレート集」に15部署分そろっています。Phase順(基盤→主要→支援・専門→事業拡張)に追加していくと無理がありません。
例: マーケティング部を作る
秘書に以下を伝えてください。
マーケティング部を新しく作りたい。以下の内容で .company/marketing/CLAUDE.md を作って。
役割: コンテンツ企画、記事執筆、SNS投稿の作成 合格基準: 記事は80点以上(チェックリストで評価)、SNS投稿はチェック項目すべて合格 ルール: ですます調で統一、専門用語は初出時に説明を付ける
秘書がフォルダーとCLAUDE.mdを自動で作成してくれます。
部署追加のコツ
- 一度にたくさん作らない。1つ作って運用してから次を作る
- 最初のおすすめは「あなたが一番時間を使っている業務」の部署
- 部署のCLAUDE.mdには必ず「合格基準」を入れる(第5章参照)
Step 9: 溜まった資産をコンテンツにする
秘書と一緒に仕事をしていると、活動ログとネタ帳が自然に溜まっていきます。ここからが「足し算」のフェーズです。日々の仕事の記録が、そのままコンテンツの素材になります。
なぜnote記事か
あなたがAI社員を使って日々の仕事をしていると、2つの資産が自然に溜まっていきます。
- 活動ログ: 「今日こんな仕事をした」という事実の記録
- ネタ帳: 「これ記事になりそう」という気づきのストック
この2つが揃うと、コンテンツを作るのが驚くほど楽になります。ネタ帳に「何を書くか」があり、活動ログに「裏付けとなる体験」がある。あとは秘書に「これを記事にして」と言うだけです。
AIが書いた一般論ではなく、あなた自身の体験談だからこそ価値がある。「やったこと」を書くだけで、あなたの専門性が可視化されます。
ケース1: ネタ帳から記事を書く
しばらく秘書と仕事をしていると、ネタ帳(content-seeds)にアイデアが溜まっています。秘書にこう伝えてみてください。
ネタ帳を見て、記事化ポテンシャルが★★★のものを一覧にして。 それぞれ、関連する活動ログがあれば紐付けて。
秘書が候補を出してくれます。気に入ったものがあれば、続けてこう伝えます。
2番目のネタで記事を書いて。 活動ログの内容を体験談として織り込んで。 読者は中小企業の経営者。「この人の話をもっと聞きたい」と思ってもらえるトーンで。 1500〜3000字くらいで。
記事ができたら、品質サイクルが自動で回ります(Step 2-1で設定済みの場合)。合格基準に照らしてチェックされ、不合格なら修正されます。
ケース2: 活動ログから記事を発掘する
ネタ帳に拾い忘れた「隠れたネタ」が活動ログに埋まっていることがあります。
最近1週間の活動ログを見て、記事にできそうなものを3つ挙げて。 ネタ帳にまだ載っていないものを優先して。
秘書が活動ログを横断して、記事になりそうな体験を見つけてくれます。見つかったネタはネタ帳に追記されるので、次回から一覧に出てきます。
ケース3: 「AIを使ってみた体験」そのものを記事にする
実は、この付録の手順を実行したこと自体がコンテンツになります。
今日の作業(AI社員のセットアップ)を記事にしたい。 「実際にやってみてどうだったか」のレポート形式で。 専門知識がない人でも読めるトーンで。
「AIを導入してみた」という体験記事は、同じ課題を持つ経営者に最も刺さるコンテンツの1つです。セットアップの過程で感じたこと、驚いたこと、つまずいたこと。それがすべて記事の素材です。
まとめ: あなたのAI社員組織の成長マップ
Step 1-5 セットアップ(この付録)
│ Git → Claude Code → フォルダー → CLAUDE.md → 起動
│ 秘書が立ち上がり、業務棚卸しが始まる
▼
Step 6 必須設定を入れる(この付録)
│ 品質サイクル、活動ログ、ネタ帳、skill-creator
▼
Step 7 便利スキルを追加する(この付録)
│ PDF、Word、Excel、PowerPointなど必要なものだけ
▼
Step 8 部署を追加する(第7章 + 付録C)
│ あなたの仕事に合わせた専門家を配置
▼
Step 9 溜まった資産をコンテンツにする(この付録 + 各章)
│ 活動ログ + ネタ帳 → コンテンツ → 発信
▼
本書の各章で学んだ仕組みを、コマンドブロックとして秘書に渡していく
│ core-workflow、チェックリスト駆動、定期健康診断...
▼
あなただけのAI社員組織が完成
最初は秘書1人から。まず今の仕事を秘書に渡すことから始めてください。使いながら育てていけば、気づいたときには組織ができあがっています。
うまくいかないこと、もっと本格的にやりたいことが出てきたら、著者紹介のページからお気軽にご相談ください。あなたの会社に合わせた構築を一緒にお手伝いします。
この手順が動作する根拠(再現性の根拠)
「付録Cの秘書室テンプレートをベースにしたCLAUDE.mdで、本当に秘書が起動するのか」を疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、Step 4で示した最小動作版CLAUDE.mdには、Claude Codeが秘書として期待どおりの初回動作をするのに必要な要素が揃っています。以下にその根拠を整理します(公式仕様上の「絶対保証」ではなく、「この構成なら再現しやすい」という根拠です)。
Claude CodeのCLAUDE.md自動読み込み仕様
公式ドキュメント(code.claude.com/docs/en/memory「How CLAUDE.md files load」セクション)で明記されているとおり、Claude Codeは起動時にプロジェクトルートのCLAUDE.mdを自動で読み込み、その内容をAI秘書の文脈(コンテキスト)として注入します。厳密な強制設定ファイルではなく、AIがその指示を前提として振る舞う形です。そのため、指示が明確で具体的なほど、秘書の振る舞いは安定します。
最小動作版CLAUDE.mdの構成要素
Step 4で示したCLAUDE.mdには、以下の5要素が揃っています。これらは「秘書が起動する」「仕事を受ける」「記録を残す」「オーナーとの関係を築く」の4機能を成立させる最小セットです。
| 構成要素 | 役割 | 出典 |
|---|---|---|
| 起動トリガー | company / 「おはよう」を合図として認識する | 本書のCC Company実装そのもの |
| 起動ルーティン | 挨拶・inbox確認・活動ログ確認・予定確認の順序 | 本書のCC Company起動ルーティン |
| 初回オンボーディング | 名前・業務をヒアリングして業務棚卸しリストを作る | 本書の第2章・第4章の実践 |
| ファイル削除禁止 | 誤削除防止の安全装置(.trashに移動する運用) | 本書の第9章・CC Company運用ルール |
| 活動ログ・秘書室の役割 | 秘書の判断基準・禁止事項・合格基準 | 本書第4章 + 付録C秘書室テンプレート |
CC Companyでの実環境運用との整合
上記の構成要素は、著者がCC Companyの運用を通じて実環境で継続的に使ってきた構成と同じ形です。本書の全章の執筆、講演スライドの制作、記事の発信、クライアント案件の管理、すべてこの構成のCLAUDE.mdをベースにした環境で行われています。本書そのものが、この手順で動いた結果の成果物です。
ただし、これは「著者の実運用実績」であり、読者のパソコンで確実に動くことを技術的に保証するものではありません。読者ご自身の手で動作確認をしていただくことが最終的な検証になります。そのためのチェック項目が、次のStep 5「成功条件のチェック」です。
本手順の限界
以下の点は本手順の範囲外です。必要になったら追加してください。
- 複数部署の運用: Step 8で付録Cの他テンプレートを順次追加
- 品質ゲート(Codex CLIによる第三者検証): 重要な成果物を扱うようになったら導入
- 定期ジョブ・自動化: 本書第11章の内容を実装するフェーズで追加
最小動作版CLAUDE.mdは、あくまで「秘書が1人、最初に動く」ための構成です。そこから本書の各章の仕組みを足していくことで、あなたの会社に合わせた組織に育てていきます。
うまくいかないとき
セットアップで問題が起きたときの対処法をまとめました。ほとんどの場合、ターミナルを開き直すだけで解決します。
irm コマンドで「スクリプトの実行はこのシステムでは無効になっています」と出た- 原因
- PowerShellの実行ポリシー(セキュリティ設定)がスクリプト実行を制限している
- 対処
- 管理者権限でPowerShellを開き、
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUserを実行してから、もう一度インストールコマンドを実行してください
- 原因
- Step 1のGit for Windowsがインストールされていない、またはPATHに反映されていない
- 対処
- Step 1に戻ってGit for Windowsをインストールし、ターミナルを開き直してから、もう一度Step 2を実行してください
claude --version で「コマンドが見つかりません」と言われた- 原因
- Claude Codeはインストールされたが、ターミナルがまだ新しいPATHを認識していない
- 対処
- ターミナルを閉じて開き直してから、もう一度
claude --versionを入力してください。それでもダメなら、Windowsを再起動してください
- 原因
- 社内のセキュリティ設定で
claude.aiやgithub.comへのアクセスがブロックされている - 対処
- IT部門に「claude.ai のインストールスクリプト実行」と「Git for Windowsのインストール」が許可されているか確認してください。許可が難しい場合は、個人のパソコンで試してみるのも一つの方法です
claude と入力しても反応がない- 原因
- Claude Codeのインストールがターミナルに反映されていない
- 対処
- ターミナルを閉じて、作業フォルダーを開き直してから、もう一度
claudeと入力してください。改善しない場合はclaude --versionでインストール状況を確認してください
company と入力しても秘書が挨拶しない- 原因
- CLAUDE.mdが作業フォルダーの直下に保存されていない、または拡張子が
.txtになってしまっている - 対処
- エクスプローラーで作業フォルダーを開き、
CLAUDE.mdというファイルが直下に存在することを確認してください。もしファイル名がCLAUDE.md.txtになっていたら、.txt部分を削除してください(拡張子を表示するには、エクスプローラーの「表示」設定で「ファイル名拡張子」にチェックを入れます)
- 原因
- CLAUDE.mdの内容がClaude Codeに読み込まれていない、または言語指定が曖昧
- 対処
- CLAUDE.mdの先頭に
# AI秘書プロジェクト(日本語で対応する)のように言語を明示するか、秘書に「これから先はすべて日本語で対応してください」と1回伝えてください
それでも解決しない場合
上記で解決しない場合は、以下の情報をメモして著者までご相談ください。
- エラーメッセージの内容(画面に表示された赤い文字をそのままコピー)
- Windowsのバージョン(「設定」→「システム」→「バージョン情報」で確認できます)
- Claude Codeのバージョン(
claude --versionの出力) - どのStepで止まったか
あとがきでも書いた通り、環境構築は最初の1回だけのハードルです。ここさえ乗り越えれば、あとはChatGPTに話しかけるのと変わりません。遠慮なくお声がけください。