付録F: クイックリファレンスチェックリスト
本編17章で紹介した実践事項を、取り入れる優先順位に応じて「必須5・応用8・上級8」の合計21項目に圧縮したチェックリストです。本編を一度読み終えた後の復習、定期的な自己点検、または新しく仲間を迎えるときの共有資料として使ってください。
このチェックリストの使い方
- まずは「必須5」だけを確認する: この5つが揃っていれば、AI社員の基本的な品質は担保されます。ここから始めてください。
- 必須5が安定したら応用8を1つずつ取り入れる: 基本が回るようになってから、優先度の高い項目を順番に。
- さらに仕組みを磨くフェーズで上級8に進む: AI組織が自走し始めた段階で取り組む項目です。
各項目の末尾にある章リンクをクリックすると、該当する本編の詳しい解説に飛べます。「なぜその項目が必要か」が気になったら、いつでも本編に戻ってください。印刷して手元に置くか、ブックマークして月1回は開くのがおすすめです。
必須5(これだけは最初にやる)
AI社員の品質を担保する最小限のチェック項目です。この5つが揃っていないまま運用に入ると、どれだけ手を動かしても品質は安定しません。
- 同じ指摘を2回受けたらルールとして明文化する(第4章「育成マニュアルを書く」)
- 全成果物にゴール照合の3項目チェックを入れる(第5章「合格基準を先に決める」)
- チェックリストを唯一の正本にする。口頭の「やりました」を信用しない(第6章「合格するまで繰り返す」)
- 重要ルールはマニュアルの先頭と末尾に配置する(第4章)
- 構成確認や最終レビューなど要所に人間承認ポイントを固定する(第9章「人間が確認できる仕組みを作る」)
応用8(基本が安定したら取り入れる)
必須5が回るようになったら、仕組みを広げ、品質を底上げする項目です。
- 何度指摘しても守られないルールをスキル化し、実行順序を構文で固定する(第8章「業務手順書を作る」)
- スキルのreferencesフォルダに過去の合格成果物を入れておく(第8章)
- プラットフォームごとに専用のチェッカースキルを作る(第7章「小さな専門家をたくさん育てる」)
- 記事ネタは書く前にスコアリングし、過去実績と比較する(第5章)
- AIに任せてよいことと人間がやるべきことの線引きを明文化する(第9章)
- タスク間の依存関係を構文で定義する(第10章「タスクを最後まで閉じる」)
- TODOに使用するスキル名を明記する(第10章)
- セッション終了時に活動ログ・TODO・コミットを一括更新する(第10章)
上級8(仕組みを磨き上げる段階)
AI組織が自走し始めた段階で取り組む項目です。仕組み自体の健全性を保ち、劣化を防ぎます。
- スキルは公式ツールで作成する。手動で書かない(第8章)
- AI社員自身に「セッションを閉じませんか」と提案させる(第3章「AI社員の3つの弱点を理解する」)
- 子エージェントへの委譲時に絶対ルールを指示文の先頭に埋め込む(第4章)
- プロセス違反をリアルタイムでブロックする仕組みを入れる(第3章)
- 起動時に前回セッションの違反を自動検出する(第13章「AI社員を定期的に健康診断する」)
- ワークフロー変更時に関連ドキュメントの更新を自動提案する(第11章「放っておいても動く仕組みを作る」)
- データ収集は自動化し、分析は専用スキルで分離する(第11章)
- 定期的にスキルの品質テストを実行し、劣化を検知する(第13章)
チェック後の次の一歩
チェックを入れてみて、「まだできていない」項目が見つかったら、そのタイミングで該当章に戻り、仕組みを1つずつ足していってください。全項目にチェックが入る状態を目指すのが目的ではありません。自社にとって必要な項目にチェックが入り、不要な項目は「採用しない」と判断できている状態が、本当のゴールです。
感想や「この項目が役に立った」「この順番で進めたらうまくいった」といった具体的な実践結果は、noteアカウントにコメントをいただく形でぜひ教えてください。次の改訂に直結します。